【共同住宅】「住宅性能評価取得マンション」とは?デベロッパーの戦略と仕組みをわかりやすく解説(その1)

その他の申請関係

分譲マンションのパンフレットでよく見かける、

「住宅性能評価書取得マンション」

という言葉。

なんとなく「安心そう」というイメージはあるものの、

  • どんな制度なの?
  • なぜわざわざ取得しているの?
  • 取得していると何が違うの?

と疑問に感じる人も多いと思います。

今回は、マンションでよく採用される「住宅性能評価制度」について、概要とデベロッパー側の狙いをわかりやすく解説します。


住宅性能評価とは?

住宅性能評価とは、

「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」

に基づいて作られた、住宅性能を“見える化”する制度です。

国に登録された第三者機関が、

  • 耐震性
  • 断熱性
  • 劣化対策
  • 維持管理のしやすさ

などを客観的にチェックし、等級や基準で評価します。

なお、住宅性能評価の取得は義務ではありません。

つまり、デベロッパーがコストや手間をかけて、あえて取得している制度という点がポイントです。


「設計」と「建設」の2種類がある

住宅性能評価には、大きく分けて2種類あります。

種類内容
設計住宅性能評価設計図面が基準を満たしているか確認
建設住宅性能評価実際の工事が図面通りか確認

分譲マンションでは、両方を取得しているケースも多く、パンフレットなどでアピールされます。


マンションで特に重視される項目

住宅性能評価には複数の評価項目がありますが、マンションで特に重視されるのは以下のような内容です。

■ 耐震性(構造の安定)

地震に対する建物の強さを評価します。

最近では、「耐震等級2」を取得する中高層マンションも増えており、安心感のアピール材料になっています。


■ 断熱・省エネ性能

断熱性能や省エネ性能を評価する項目です。

最近話題の「ZEH-M(ゼッチ・マンション)」とも関係が深く、光熱費や快適性にも直結します。


■ 音環境

マンション購入者が特に気にするポイントのひとつ。

上下階への音の伝わりやすさなど、遮音性能への配慮が重視されます。


■ 維持管理・更新のしやすさ

給排水管などのメンテナンス性を評価します。

将来の改修工事やリフォームのしやすさは、マンションの資産価値にも大きく関わります。


なぜデベロッパーは取得するのか?

住宅性能評価を取得する理由は、単なる「安心感」だけではありません。

実は、販売戦略として非常に重要な役割があります。


■ 「性能」を数字で説明できる

「このマンションは高性能です!」

と言うだけでは、購入者には伝わりにくいもの。

しかし、

  • 耐震等級2
  • 断熱等性能等級5

など、第三者評価として数値化されることで、説得力が大きく向上します。


■ 他物件との差別化になる

同じエリア・同価格帯のマンションが並ぶ中で、

「住宅性能評価取得済」

という表示は、購入者への安心材料になります。

パンフレットや広告でも、かなり重要なアピールポイントです。


■ 購入者メリットにつながる

住宅性能評価を取得していると、

  • 住宅ローン金利優遇
  • 地震保険割引
  • 税制優遇

などにつながる場合があります。

つまり、

「購入後のメリット」

まで含めて販売できるのです。


実は設計者の負担も大きい制度

住宅性能評価を取得する場合、設計者は通常の確認申請に加えて、追加検討や図書作成が必要になります。

例えば、

  • 断熱仕様
  • スラブ厚
  • 配管更新ルート
  • メンテナンス性

など、細かな部分まで評価基準を意識して設計する必要があります。

パンフレットに小さく書かれている等級の裏には、設計者の細かな調整や検討が隠れているのです。


まとめ

住宅性能評価とは、

「住宅性能を第三者機関が客観的に評価する制度」

です。

分譲マンションでは、

  • 安心感のアピール
  • 他物件との差別化
  • 購入者メリット

などを目的として、多くのデベロッパーが取得しています。

マンションのパンフレットを見るときは、間取りや価格だけでなく、「住宅性能評価」のページもぜひチェックしてみてください。

その数字の裏には、デベロッパーの戦略と、設計者の細かな努力が詰まっています。


次回予告(その2)

次回は、住宅性能評価の“実務的な中身”について、さらに深掘りしていきます。