15階建てマンションで実際によく使われる計画手法とは?
はじめに
本記事では、
「開放片廊下型共同住宅」
における、特別避難階段の設置基準の緩和条件について解説します。
15階建ての共同住宅では、建築基準法上、原則として「特別避難階段」が必要となります。
しかし、オフィスビルのように大きな付室(前室)を室内に設けてしまうと、
- レンタブル比の悪化
- 専有面積の減少
- コア面積の増大
- 建築コストの増加
など、共同住宅では事業性に大きな影響が出てしまいます。
そのため実務では、
「開放廊下を利用した緩和」
を活用し、できるだけコンパクトな避難計画とする設計が広く採用されています。
なお、本記事は、
- 開放片廊下型共同住宅
- 外廊下型マンション
を前提とした内容です。
内廊下型共同住宅やホテルライクマンションでは、別途、防煙・排煙計画の詳細検討が必要となるため注意が必要です。
特別避難階段とは?
建築基準法施行令第123条では、
「15階以上の階に通ずる直通階段」
について、原則として「特別避難階段」とすることが求められています。
特別避難階段では、
- 階段室への煙流入防止
- 防煙対策
- 付室(前室)の設置
などが必要になります。
開放片廊下型共同住宅で使われる「緩和」の考え方
共同住宅では、一定条件を満たした「開放廊下」を利用することで、
「特別避難階段を緩和する」ことができます。
緩和を受けるための主な条件
① 各住戸の専有面積が200㎡以下であること
一般的なファミリー向け共同住宅であれば、
- 60㎡
- 70㎡
- 80㎡
- 90㎡
程度が中心となるため、多くの計画で問題なくクリアできる条件です。
② 廊下が外気に十分開放されていること
ここが最も重要なポイントです。
火災時に煙が廊下へ滞留しないよう、
「開放廊下(外廊下)」
として十分な通風性・排煙性を確保する必要があります。
実務では、
- 手すり部分の開放率
- 吹抜の有無
- ガラス囲い
- ルーバー形状
などが確認されます。
特に注意したいのが、
「見た目は外廊下でも、屋内扱いになるケース」
です。
最近のマンションでは、
- ガラススクリーン
- 半屋内化
- デザイン重視の囲い
などによって、確認機関との協議が必要になることもあります。
③ 廊下面の開口部に防火設備を設けること
火災時に住戸から火炎が噴出し、避難経路へ影響しないよう、
- 玄関扉
- 廊下面の窓
- MB扉
- PS扉
などには、
「両面20分防火設備」
が必要となります。
実施設計段階で見落としやすいポイントのため注意が必要です。
実務で多い15階共同住宅の構成
実際の分譲マンションでは、以下のような計画が非常に多く採用されています。
| 項目 | 計画内容 |
|---|---|
| 廊下 | 開放片廊下 |
| 階段 | 開放型階段 |
| 排煙 | 自然排煙中心 |
| 避難 | 2方向避難 |
| EV | 非常用EV緩和を併用 |
| コア | コンパクト化 |
特に、
「非常用エレベーターの緩和」
とセットで検討されるケースが非常に多いのが特徴です。
実務上のポイント
15階建て共同住宅では、
「避難安全性を確保しながら、いかにコアを小さくまとめるか」
が非常に重要になります。
そのため、
- 外廊下
- 開放型階段
- 自然排煙
- 防火設備
を初期段階からセットで検討することが、スムーズな計画につながります。
まとめ
開放片廊下型共同住宅では、
- 外気に十分開放された廊下
- 廊下面開口部の防火設備
- 排煙性の確保
などの条件を満たすことで、
「特別避難階段の付室を緩和する計画」
が可能となります。
特に15階建て共同住宅では、
「開放片廊下+開放型階段」
が現在でも王道の計画手法となっており、多くの分譲マンションで採用されています。

