トイレ設計・基本寸法

建築設計ー一般
今回はトイレの設計についての内容になります。
住宅や非住宅のトイレの必要な寸法は決まっていますので、この必要寸法をもとに配置していくことにまります。この基本寸法を知っておかないと設計できません。

私が建築設計を初めて間もない頃に、ビジネスホテルと市の施設に携わりました。もちろん一番の下っ端ですので、指示通りに図面を描くことや修正なのですが、トイレに関してはプランを考えるように言われました。上司から何度か厳しい指摘をされながら、何案もプランを作ったことを思い出します。トイレの設計は建築設計の基本ですね。

住宅のトイレ

木造住宅用のトイレですと、壁芯900ピッチで幅900㎜、奥行き900+450=1350㎜が標準です。このサイズでも通常使用に問題はありません。扉は中で何かあった場合の安全面を考えて外開きにします。扉は600㎜以上とします。

非住宅のトイレ(小便器)

公共施設、店舗、事務所(オフィス)などの男子便所には小便器が並んでいます。
壁からの便器中央までの離れは最小で400㎜できれば450㎜以上、小便器間隔は最小で700㎜できれば750㎜以上として設計します。
ライニングの幅は一般的に150㎜程度、汚垂れ石は600㎜程度とします。
ライニングは配管が入るスペースで、コンクリートブロックで造るか、LGS(軽量鉄骨)で組みますが、小便器を支える為、鋼材で十分に補強する必要があります。昔の事務所や学校のライニングはコンクリートブロックで造ることが多かったですが、現在では改修する際にもLGSとすることが標準です。また、手摺を設ける場合も手摺位置に補強が必要になります。 

非住宅のトイレ(ブース)

事務所ビルや店舗などの非住宅のトイレでは、大便器はトイレブースで囲います。ブースの扉寸法は、最小で550㎜ですが通常は600㎜とし、住宅用と異なり内開きとします。そとで待っている人やトイレ内を歩いている人に扉を開けた時に当たらないようにする為でが、通路部分が十分に広い場合は、外開きでも問題ありません。ブースの寸法ですが便器前の寸法が700㎜であればスムーズに出入りが可能になります。便器前寸法500㎜ですと出入りが、かなり窮屈なります。便器奥行を800㎜程度としてブース奥行が1,500㎜あれば窮屈さを感じません。

ベビーシートをコーナーに設けた場合、最小幅は1,000㎜となります。

非住宅のトイレ(手洗い)

壁からの手洗い器の中心までの離れは、最小で400㎜以上、手洗い器間隔は最小で700㎜できれば750㎜以上として設計します。ライニングは150㎜程度とします。

便器個数の目安

事務所(労働安全衛生法による便器の個数)
男子大便器 1個/60人
男子小便器 1個/30人
女子便器 1個/20人

学校(文部省体育局長通達)
男子大便器 1個/50人
男子小便器 1個/25人
女子便器 1個/20人

保育所
男子大便器 1個/20人
男子小便器 1個/20人
女子便器 1個/20人

劇場・映画館など
300㎡     1個/15㎡
301㎡~600㎡ 1個/20㎡

実際のトイレの例

実際のトイレの例を紹介します。ご自身が設計する時に参考にして下さい。

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